Antonio Smith - Ven, Seamos Mas.../Somos El Mundo

2970円(税込)
 
(Branco Label branco-04-1/2) 2枚組みCD
2011年6月発売
 

収録曲:

Disc : 1 -Ven, Seamos Mas...-

01, Cuantos Caminos, nos llevaran!
02, Basta, de negar por negar!
03, Esto, amor no lo olvides
04, Bosquecito
05, Tu miel caliente para mi verano
06, Para ser hombre (Anamlor)
07, Hoy salgo a caminar
08, Ven, seamos mas
09, Regresa el Sol de lejos (Inti-Ramiti)
10, Solo asi vendra (Mensahe de las estrellas) a) Despertar, b) Recorder, c) Renacer
11, La magia de ser
12, Cruzare (a Loreto)
13, Om, Vida, Cosmos
 

Disc : 2 -Somos El Mundo-

01, Al bajar de la montana
02, Algun dia
03, Piensa Manuel
04, Piensa que la muerte no muere
05, Un poeta de verdad
06, Tiempo de amar
07, Tu madre no te dijo paloma
08, Somos el mundo
09, Negrito Miguel
10, Sueno nino
11, Tema de los castores
12, Cuando el hombre se mira
-bonus tracks-
13, Poderoso
14, Eclipce
 
作詞、作曲:Antonio Smith
 
(タイトルは本来スペイン語表記なので、一部アルファベットが本来の表記と違っております)


 


'72年に南米チリで制作されたチリロック史に残る名盤「Congregacion - Viene...」。
Antonio Smith さんはそのCongregacionのリーダーでした。


Congregacion は若くしてクラシック音楽の勉強をしていた彼が、
当時のカルチャーに影響されてか、ロックに傾倒して制作されたレコードでした。
ところが、当時はドラマーが見つからず、たった二日間の短期間で作品を録音しなければならなかったため、
当時の本人としては満足のいく作品ではなかったようです。
しかし、ドラムレスということで必然的にフォーク寄りの音楽となったこともあり、彼らの持つ優しさ、甘美さがより穏やかに際立ち、
それゆえに現代でも長く語り継がれるほどの南米フォークの名盤となったのではないか、と思います。
(でもロックをやったCongregacion も聴いてみたかったですね。)
 
また、Congregacion には政治的なメッセージもこめられており、
不安定な世の中に警鐘を鳴らすかのようなシリアスな側面もありました。
 
悲しくもそれが当たってしまったかのように、翌年'73年の9月11日には、アメリカ政府が糸を引いたチリ軍部によるクーデターが勃発。
今現在では「チリの9.11」とも呼ばれるこの事件で、時の大統領サルバドール・アジェンデはラジオで最後の演説をしたあとに殺害され、
多くの左翼系市民も迫害を受け始めました。
そのため多くのミュージシャン達は近隣国へ亡命をせざるをえなくなりました。
革命歌を歌った人気SSW ビクトルハラが虐殺されたことは、その象徴的な出来事だったといえるでしょう。
(これらの背景を詳しく知りたい方は、「もうひとつの9.11」などで検索してみてください。)
 
Antonio さんもその頃アルゼンチンへ亡命。
そして'74年に1stソロアルバム「Ven, Seamos Mas...」をリリースします。
これは全ての楽器をAntonio さんのみで演奏して作られた作品でした。
 
同年には同様にチリから亡命してきたLos Jaivas の面々やMatias Piarro 達と半オムニバス的アルバム「Grupo Sol De Chile」をリリース。
 
そして翌年'75年には、Matias Piarro やアルゼンチンのミュージシャン達をバックメンバーに自主制作盤「Somos El Mundo」をリリースします。
 
 
'70年代後半には多くのチリ人たちはヨーロッパを経由することで祖国チリへ帰国することができたのですが、
Antonio さんはアルゼンチンですでに始めていた教師の仕事があったため、あえて帰国はせずにアルゼンチンでの永住を決めます。

その結果、近年までAntonio さんはチリでは消息不明ということとなり、
残されたCongregacion の音楽の素晴らしさとともに伝説のミュージシャンとして語り継がれてきておりました。
 
そして皮肉なことに、近年、アーティストご本人に無断でリリースされたCongregacion の海賊版がきっかけとなり、
ようやくチリ本国でもAntonio さんの消息がつかめたかたちとなりました。
 
この度、当レーベルは少なくともソロ作2枚は海賊版が出される前に正式に再発するようにAntonio さんに打診し、それが実現する形となりました。
 
 
それがこのCD二枚組セット「Ven, Seamos Mas.../Somos El Mundo」です。
 
 
具体的な音楽の内容については、試聴していただければ、と思います。
いずれもアコースティック楽器を中心としたフォーク作です。
素晴らしい歌、ソングライティング、丁寧に作られた冴えた音響感覚も聴きどころですが、
私は、この作品から伝わる感覚が「今」にとても合っている気がします。それには信頼のおける友人達も同調してくれております。
だからこそ、より多くの人たちに聴いていただければ、と願います。
普段、アコースティックフォーク、70年代フォークなどを愛聴されている方々はもちろん、
そういった音楽を聴かない方々にも伝わる、表面的なものではない何かの感覚があると思います。
 
ボーナストラックとしましては、上記の「Grupo Sol De Chile」の中でAntonioさんが担当された楽曲群の中から2曲のみ
Antonioさん自身のチョイスにより収録されております。
 
 
紙ジャケ、CD2枚組み、スペイン語歌詞カード、英語解説付き。
 
 
※ マスターテープ紛失のために盤起こしで製作されております。また、音楽自体の音質を守るためにあえてデジタル処理によるノイズ除去を行っておりません。
アーティスト様と相談のうえ、この形に決定いたしました。マスター音源に起因するノイズが一部ありますことをあらかじめご了承ください。 
Disc 1 の7曲目では、片チャンネルだけ音飛びする箇所がありますが、これはマスターテープ音源のときからあるミスでして、
オリジナル盤LPでも同じ症状があります。ご了承くださいませ。



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